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1.教皇ダスティン六十一世
神言教第五十七代教皇。死に際しても来世へ記憶を引き継ぎ保持し続ける支配者スキル「節制」を有しており、転生によって何度姿形が変わろうと揺るがない理念を糧に神言教のトップとして活動を続けている。
転生するごとに親から名前をもらうものの、教皇になった時点でダスティンと名を改めている。今世の姿は市井に紛れていても違和感のない好々爺然とした痩身の老人で、単純な強さを取ってもさほどのものではない。彼の本質はどれだけの犠牲を払ったとしても狂うことも現実から目を背けることもなく、葛藤しながらも前進していこうという意志そのものにある。
人族の存続のためなら、自身の命を投げうつことに躊躇することもない。
長い付き合いを持つアリエルをして彼を「化物」と認め、讃えている。
弁舌に長けた扇動者であり「神言教」の教義は幾度も転生を積み重ねる中で人族全体の存続という目的のための方便として彼が確立させたもの。
「神の声をより多く聞くために、スキルやレベルを上げよ」という、自然発生するとは考えにくいこの教義は、スキルを多く取得させることで、将来的に人族を存続させようという物である。
また、真言教の次に人族に浸透している宗教「女神教」は、ソフィアとメラゾフィスの故郷であるサリエーラ国の国教である。ダスティンは女神教の存在自体が人族の安寧への障りとなると判断した彼が宗教的影響力と諜報を駆使してサリエーラ国を滅ぼそうとした結果、彼女たちの故郷ケレン領は戦火に包まれることになった。
ソフィアとメラゾフィスにとって仇の総元締めと言える人物である。
2.ダスティンの過去編 ダスティン一世
過去編では全ての元凶であるポティマスは、未知のエネルギー「MAエネルギー」の実用化を成功させる。MAエネルギーは装置さえあれば、尽きることなく、どこからでも補充可能という画期的なエネルギーで、電気に変換することも可能だという。資源の乏しかった国を中心にこぞってこの新エネルギーに飛びついた。ポティマスはMAエネルギーの運用方法、人類の人工的進化を提唱し、先進国はこの技術に興味を示した。人類はポティマスの技術に傾倒していった。
唯一、ダズドルディア国大統領を除いて。
無から生み出される夢のエネルギー。そんな物は存在しない、必ず何か裏があるはずだ。とダズドルディア国大統領は考えていた。
そして、その不安は現実の物となる。
MAエネルギーは星の命とも言えるエネルギーで、これが減少すると星の崩壊が始まり、ゆくゆくは星が崩れ去るという触れてはいけない物だった。以前から龍と天使サリエルによって警鐘を鳴らされていたが、人類はその便利さを優先させ、彼らの声に耳を貸さなかった。
龍は自分達の支配下にすべく狙っていた星が崩壊するのを黙ってみている訳もなく、
人類を滅ぼすために動き出す。人類はポティマスの設計したMAエネルギーを利用した兵器でこれを迎え撃つ。しかし、存在として上位の龍に兵器の力は及ばず、時間稼ぎをするのが精々であった。
その時、はぐれ天使サリエルが人類の救済のために動く。
龍を追うサリエル。人類を滅ぼしながらサリエルから逃げる龍。
ついに追い込まれた龍は、MAエネルギーを強奪して別の星へ逃げて行った。星の命であるMAエネルギーを奪われた星は、急速に崩壊を始めます。
若き龍であるギュリエディストディエスの働き、管理者Dの力、はぐれ天使サリエルの犠牲によって、星は「システム」を施され崩壊は抑えられ、存命される。
ポティマスを危険視し、最後までMAエネルギーの使用を行わなかったダズドルディア国大統領。
それが、ダスティン一世である。
その後、「システム」が施された世界で彼は支配者スキル「節制」を手に入れ、記憶を引き継ぎ、現在に至っている。彼は「禁忌」に触れ世界の真実を知る人物であるが、実際にその目で顛末を見届けてきた生き証人である。
3.ダスティンの企み
ダスティンはその過去の経験から、人類の存続を己の使命として課している人物です。先代勇者と先代魔王によってMAエネルギーが大量に失われる事件があり、現状のままでは星の回復は叶わない物となっていました。真言教の神であるサリエルが死ぬことを察しているダスティンは、女神教の撲滅と、人類を安定させるために神の鞍替えを画策していた。真言教と女神教の信じる神は、同じサリエルであるのだが、星を回復させ、人類を存続させるためには真実を知らない女神教では任せることは出来ないとダスティンは考え、滅ぼすか吸収してしまうことを画策しています。
また、サリエルの死に関しては、管理者ギュリエディストディエスをその後釜に考えており、この交代による人族の混乱を避けることも、様々な諜報活動を通じて行っている。そしてこのことは管理者ギュリエディストディエスも承知している事実である。
遥か昔から人族の存続のために生きてきたダスティン。
その歩みは命が終わっても止まることは無い。
蜘蛛子と魔王アリエルの目的とは相いれないこの思想は、いつか決着をつけなければならない相手となっています。
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